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2008/9/11  平成21年度当初予算編成に対する重要政策提言


2008年9月11日、自民党県議団の執行部と正副部会長は井戸知事に対して67項目からなる来年度当
初予算編成に向けた重要政策を提言いたしました。



重要政策を提言の様子は「活動状況」のページでご確認いただけます。
→活動状況のページを見る




下記に提言の内容を全文掲載いたします。ぜひご確認くださいませ。



平成21年度当初予算編成に対する重要政策提言




平成20年9月11日(木)

兵庫県議会自由民主党議員団

幹事長  山本敏信

政務調査会長  石堂則本





いま、私たちは、地球温暖化や貧富の格差、未知の感染症の発生、テロとの戦いなど、地球的規模での深刻な課題に直面しています。


一方、国内では食品の安全性を揺るがす相次ぐ企業の不祥事など、企業倫理の崩壊、幼い子どもの命、女子高校生の命が突然奪われる痛ましい事件や通り魔事件、親による幼児虐待や肉親の殺害など、基本的な倫理観や人間性の欠如により、生活の安全・安心が脅かされています。


また、学校現場においては、いじめなどによる自殺の連鎖的発生が社会問題化しているほか、学力低下問題など、公教育に対する信頼が揺らいでいると言わざるをえません。


我が国では、古来から豊かな自然の恵みへの感謝とともに、その脅威に対する畏怖の念を抱き、自然と共生する考え方が根づいていました。このような自然と共生したライフスタイルや質素・勤勉をはじめとした数々の美徳など、日本人の伝統的な特性の回復が様々な問題を克服していくうえで、重要な鍵となることは明らかであり、子どもに、明るい未来を与える教育改革などを積極的かつ強力に推進することが必要です。


私たちは、このような時代の潮流を的確に認識した上で、県民の視点にたった政策実現に努め、県民主体の県政を推進していかなければなりません。


さらに、少子高齢社会や人口減少社会の到来を見据え、社会保障システムの再構築や労働力の確保など経済成長の基盤整備とともに、家族や地域のきずなの回復のほか、子どもを安心して授かり、すこやかに育てることができる環境整備など、新しい時代に対応した県政の推進が求められています。


行財政構造改革に関しては、原油をはじめとする原材料の価格高騰などを要因として景気の拡大が途切れ、一転して後退局面入りが鮮明になっており、今後の景気の動向如何によっては、収支不足が拡大する恐れがあります。さらには、地方財政健全化法に基づき、公社等も含めた新たな指標も導入されるなど、より一層厳しい財政運営を強いられることとなっており、本年2月に策定された第一次新行革プランに基づく取組を進めているところですが、今後策定される新行財政構造改革推進方策による改革を着実に進め、将来にわたる財政構造の弾力性の確保と多様な県民ニーズに的確に対応しうる新たな行財政運営の枠組を確立していかなければなりません。


また、真の地方分権の実現のためには、第二期地方分権改革の推進が必要不可欠であり、これまで以上に地方が一体となった取組が必要です。


さらには、集中豪雨による水害や土砂災害のような自然災害、JR脱線事故のような突発的に発生する都市型災害に的確に対処できるよう、危機管理体制の一層の強化も必要です。


このような課題が山積している今こそ、知事には、より一層強力なリーダーシップが求められるのであり、その手腕が期待されるところであります。


知事とともに県政運営の重責を担うわが党議員団としては、県政の責任政党として、従来にも増して政策に優先順位を付け、貴重な県民の税金である財政資源を効率的・効果的に配分する努力を絶えず払っていく所存であります。


以上の認識に基づき、わが党議員団は、以下に掲げる67項目を重要政策として提言いたします。


知事におかれては、平成21年度当初予算編成にあたり、これを最大限に尊重し、その実現を図られるよう強く申し入れます。



?  自律・分権型社会を先導する行財政構造の確立



1  地方分権の推進について


平成16年度から3年間、「三位一体の改革」が進められたが、地方六団体が提案した「国庫補助負担金等に関する改革案」の達成率は、金額ベースで12%にとどまり、地方が提案していない国庫負担金の負担率の切り下げや新たな都道府県負担の導入など、多くの課題を残した。


平成18年12月に「地方分権改革推進法」が成立し、現在「新地方分権一括法」の制定に向け、国と地方の役割分担の見直し等の検討が進められているが、分権改革をより一層推進する観点から、地方税財源の充実強化や偏在是正のほか、国と地方の本来あるべき役割分担や都道府県制度のあり方の検討などについて、全国知事会等を通じて国に働きかけるなど、第二期地方分権改革の推進に向け真の地方分権が実現されるよう引き続き着実に取り組むこと。


また、県民に対し、改革の意義や必要性についてわかりやすい広報を進めること。


さらに、関西広域連合(仮称)については、地方の自主性を発揮できる新たなモデルとなりえることから、設立に向けた取組を進めていくこと。



2  新たな行財政構造改革の一層の推進について


原油価格の高騰などを要因として、景気の後退局面入りが明らかとなっており、今後の景気動向によっては、歳入の確保に影響を及ぼし、収支不足が拡大する恐れもある。また、昨年6月には地方財政健全化法が成立し、平成20年度決算からは公社等も含めた新たな財政指標が導入されるなど、本県の財政運営は、より一層厳しさを増している。


本年2月に決定された第一次新行革プランに基づき、平成20年度当初予算から行革の取組を進めているが、今後策定される新行財政構造改革推進方策を着実に実施し、早期に財政の健全化を果たすために、限られた歳入の中で、施策の選択と集中を徹底するとともに、さらなる歳入の確保に努めること。


また、こうした厳しい財政状況にあっても、少子高齢社会や人口減少社会の到来を見据え、県民から求められる新しい時代に対応した県政を推進することが必要である。このため、引き続き経費支出の効率化に努めるとともに、限られた財源を重点配分し、必要な施策の充実に取り組むこと。



3  分権型社会における県と市町の新しい関係の構築について


市町合併の進展により、県内の市町数は大きく減少し、行財政規模の拡大が図られた。市町は住民に身近な行政分野を担う基礎的自治体として、これまで以上に自立的かつ主体的にその役割を果たすことが求められている。


一方で、県は、市町の行政運営への支援や市町間の広域調整、専門的・先導的な分野への対応などの役割が重要となってくると考えられる。


そこで、県と市町の役割分担をより明確にし、市町の行政運営体制の整備の進展を踏まえ、本来市町が担うべき権限・事務の積極的な移譲を図るとともに、市町を超えた地域課題への対応や市町間の調整機能の発揮など、地域の実情に応じ、県と市町の新たな関係の構築について検討すること。


また、県民局等地方機関のあり方についても、これらの観点も踏まえて引き続き検討していくこと。


さらに、今年4月に西宮市が中核市へ移行し、尼崎市も今後移行を予定しているが、このような状況を踏まえ、政令指定市や中核市における役割分担や一層の権限移譲についても、検討していくこと。



4  税財源の確保について


地方分権が進展する中、国と地方の役割分担に見合った自主的・安定的な税源の確保など地方税の充実強化とともに、三位一体改革により大幅に削減された地方交付税の復元・充実が喫緊の課題であり、国に強く働きかけを行うこと。


また、今後策定される新行財政構造改革推進方策に基づく行財政改革を着実に進めていくためには、自主財源の確保に努めていく必要がある。税収確保に重点的に取り組むとともに、課税自主権の活用について検討を進めること。特に、現行の法人県民税超過課税(第6次延長分)の延長協議にあたっては、財源の使途を十分に検討していくこと。また、県民緑税の有効活用について、検討を進めていくこと。さらに、ふるさと納税の促進のため、情報発信の充実に努めること。




?  美しい兵庫の実現をめざす「21世紀兵庫長期ビジョン」の推進



1  「21世紀兵庫長期ビジョン」の実現に向けての施策・事業の推進について


「全県ビジョン推進方策」については、工程や数値目標に基づいて点検・評価・公表を引き続き進めるとともに、「県政推進重点プログラム50」や主要な分野別計画との整合を図りながら、「21世紀兵庫長期ビジョン」の実現に向けての施策・事業を推進すること。


また、「地域ビジョン推進プログラム」(期間:平成18年度?22年度)に掲げた地域を越えた幅広い交流や、県民と県民局が取り組む協働のシンボルプロジェクトを推進するとともに、プログラムの実現状況を県民局毎に適切に点検・評価していくこと。


なお、ビジョンの実現に向けて、県民参加で開催している各種会議については、県民局単位、全県単位でそれぞれの役割を明確にし、必要に応じて整理見直しを進めるとともに、効率的かつ効果的な運営に努めること。


次に、参画と協働の県政の推進にあたっては、首長と議会の二元制という地方自治制度を前提として、県の組織が一体となって、基本的な考え方を共有し、実践していく姿勢が不可欠である。


地域課題解決の推進力となる地域団体活動の活性化や参加者の拡大など、活動の裾野を広げる支援策を講じること。



2  維持管理における公民協働の仕組みづくりの推進について


県民が道路や河川、公園などの身近な社会基盤に対する愛着と誇りを持ちながら利用していくためには、地域の貴重な共有財産であるという意識を育み、自分ができる範囲で維持管理に携わっていくことが重要である。


そこで、道路植栽や河川の草刈り、公園運営など、維持管理における公民協働の仕組みづくりをより一層推進すること。



3  真の男女共同参画社会の構築について


男女共同参画社会の名のもとに、男女の性差や役割分担を否定するいわゆるジェンダーフリーに基づく実践が報告・報道されているが、男女共同参画に関する県民の認識が誤った方向に進んでいないか、非常に憂慮されるところである。


このため、男女共同参画社会づくり条例に基づく諸施策の展開にあたっては、男女の性の違いを認識する中で、両性の尊厳と各自の能力に応じた真の男女共同参画社会の構築に向けて、「男らしさ」「女らしさ」を前提とした社会や家庭のあり方の普及、学校現場においても児童生徒に接する教員に対する指導の徹底などに努めること。


また、以上の点を踏まえ、県民参加のフォーラムなどについて、講師の選定、進め方などに十分留意し、広範囲な県民が参加できるよう配慮すること。



?  県民生活を支える足腰の強い経済・雇用対策の推進


1  社会経済情勢の変化に的確に対応した対策の推進について


我が国の経済は、原油をはじめとするエネルギーや原材料の価格高騰、米国のサブプライムローン問題等の影響により、景気の減速がより一層進んでおり、収益の減少に伴う企業の業況感の慎重化や、石油製品や食料品をはじめとする消費者物価の緩やかな上昇に伴う個人消費の伸び悩みにつながっている。


また、緩やかな上昇基調にあった雇用・賃金の状況についても、その伸び率にかげりが見え始め、企業規模や業種間・地域間の格差や、正規・非正規といった雇用就業形態の違いによる格差等のさらなる拡大が指摘されている。


そこで、こうした我が国経済が置かれた厳しい現況を把握し、グローバル化の進展や人口減少社会の到来、成熟型経済への転換など、今日の社会経済情勢の様々な変化に的確に対応しながら、本県経済の持続的な成長と多様で安定した雇用就業の実現を図るため、本年2月に策定された「ひょうご経済・雇用活性化プログラム」に基づき、実効性ある各種施策を、適時適切に実施すること。



2  実効ある機動的な雇用対策の推進について


終身雇用制や年功序列型賃金体系の終焉、雇用就業体系の多様化など、急激に変動する経済・雇用情勢に応じた柔軟かつ機動的な施策の一層の充実を図るとともに、高齢者や女性、障害者、団塊の世代等の多様な就業ニーズに応じたきめ細かな就業支援など、兵庫らしい雇用確保体制を強化すること。


さらに、少子高齢社会を迎える中長期的な視点から、地域産業の持続的な発展に向けて、優れた技能・技術を継承し、次世代を担う産業人材を育成するため、新規学卒者等をはじめとした若年層を対象に、職業観・職業意識を十分醸成していくとともに、就職支援、能力開発を充実すること。


特に、増加するニートや年長フリーターに対する取組として、関係部局が連携した総合的な支援を講じること。



3  中小企業への更なる支援について


本県の地域経済に大きな役割を果たしている中小企業は、過去の長引く景気低迷や、原油や原材料の高騰の影響により、その経営環境は非常に厳しいものとなっている。


このため、引続き地場産業、建設業、観光・集客関連産業、商店街・小売市場などの中小企業への更なる支援が求められており、地場消費を含めて県内中小企業の市場拡大を積極的に推進するなど、中小企業への支援を強化するとともに、中小企業のまとめ役である商工会議所、商工会が地域振興の中核的役割を果たすことができるよう、一層の支援を行うこと。


中小企業金融においては、国との協力のもと地域金融の充実を図ること。とりわけ、昨年10月に導入された「責任共有制度」のもとで円滑な資金調達が行われるよう、必要な対策を講じること。また、創業の促進や新しい分野への進出など、経営革新を志す意欲的な中小企業に対しては、人材育成、技術開発・技術力向上も含めた実体的で総合的な支援を講じるなど、中小企業への支援に全力を挙げ、地域経済の活性化を図ること。


さらに、兵庫情報ハイウェイの利用促進などを通じて、中小企業のIT化支援を強化すること。



4  積極的な企業誘致の展開について


世界規模での地域間競争が激化するなど、企業誘致は厳しい状況にあるが、SPring-8やX線自由電子レーザーなどの世界的な研究基盤や、神戸に立地が決定した次世代スーパーコンピューターなど、豊かな地域資源を有する本県の特性を最大限に活かし、地元の市町、産業界とも十分に連携をとりながら、構造改革特区をはじめ拠点地区への産業集積を促進すること。


産業集積の促進にあたっては、産業集積条例の充実により、更なる税制優遇措置をはじめ、他府県より優位な条件や適用区域の拡大を図り、県下の産・学・官を有効に活用して優れた国内外企業を戦略的に誘致するとともに、地元の正規雇用の促進にも留意しながら、クラスター形成を図ること。


とりわけ、先端技術を有する環境創造型産業や地域の経済活性化、雇用の拡大に波及効果を及ぼすような企業の誘致に努めること。


併せて、企業誘致後における地域への経済・雇用効果のフォローアップを実施すること。


また、県内企業の海外進出支援などにより、経済成長を続ける中国などのアジア圏等との国際的な経済交流を推進すること。


さらには、神戸製鋼所ばい煙データ改ざん問題を踏まえ、地域と共生できる企業の育成に取り組むこと。



5  観光の振興について


人口減少社会を迎える中、地域の活力を高めていくためには、観光ツーリズムの振興を通じて、交流人口の拡大を図っていくことが必要である。


このため、県内に有する世界的、また我が国屈指の誇るべき地域資源を活かした魅力ある地域づくりを進めるとともに、県内市町や関係機関との連携のもと「大型観光交流キャンペーン(あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン)」を積極的に展開し、本県の多彩な魅力を全国に発信し、観光客誘致を図ることを通じて、観光ツーリズムの振興を推進すること。


とりわけ、外国人観光客倍増をめざし、ホスピタリティの向上、外国人の視点によるツーリズムモデルコースの設定など、近年著しい伸びを示しているアジアからの誘客を促進する事業を強化すること。



6  県内建設業者の健全育成について


国・地方の公共事業関係予算が削減される中、県内建設業者の倒産件数は依然として高水準で推移しており、県内の建設業を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いている。


健全な県内業者を育成するためには、まず第一に、安定して仕事が確保できるよう、受注の機会を確保する必要がある。特に、冬季などにより仕事の確保が制約される農山村部の業者は公共事業への依存度が高いことや、参画と協働の取組など県施策への業者の貢献度等も加味し、分離・分割発注、発注・完成時期の平準化等による受注機会の拡大を一層推進すること。

また、公共事業の品質・安全を確保し、県内の中小建設業者の倒産や赤字増大を防ぐため、適正な価格による受注に配慮し、適正な最低入札価格の設定と同時に、小規模工事における最低制限価格の改善などさらなる対策を行うことにより、不当に低い価格での受注の防止対策に努めるとともに、発注した工事の工程管理(納期)を徹底し、工事の質を十分チェックすることで、不良不適格業者の排除を行うこと。


さらに、県内業者の競争力向上を図るため、技術面で差別化を図ろうとする業者や資材の共同調達等により経営効率化を図ろうとする業者等に対する支援を積極的に行うこと。


とりわけ、得意分野の異なる企業の相互補完的な連携や他分野への進出等、建設業の再編につながる取組に対しては、融資制度の創設等の財政支援を行うこと。



?  県土の活力ある発展



1  社会基盤整備の推進について


活力ある県土の発展を図るためには、道路、河川、下水道等の地域間格差が生じている社会基盤の早期整備のほか、自然災害に備えた基盤整備や“ふるさとづくり”を支援する社会資本の整備が必要不可欠であり、安全・安心の確保のため最優先すべきである。特に、武庫川、加古川などの水害対策をはじめ、土砂災害の防止対策を行うとともに、一般道路渋滞緩和のため、利用料金負担の軽減を図るなど高速道路の利用促進等を図ること。


「新行財政構造改革推進方策」の最終案が検討されている中、県民の生活を豊かにする“ふるさとづくり”をめざした社会基盤整備については、コスト縮減に努め、一律カットすることなく、選択と集中により、必要な事業費を確保するとともに、地域の実情に沿った整備を行うこと。


特に、人や物の交流を促進し、自立できる地域づくりに欠かせない道路については、地域の道路整備に必要な道路特定財源を確保することを国に対して強く要望するとともに、高速道六基幹軸の早期整備、とりわけ鳥取豊岡宮津自動車道や北近畿豊岡自動車道の早期完成のほか、新名神高速道路及び大阪湾岸道路西伸部等の工事着手に向けた取組を早期に行うこと。


神戸空港を含む関西三空港については、適切な役割分担のもと、県内各地からの空港アクセスの充実を図るとともに、基幹空港としての伊丹空港の機能維持を踏まえた上で、コウノトリ但馬空港を含め空のネットワークを広げること。


社会基盤の補修費用の最小化や適正な管理を目的として導入したアセットマネジメントについては、対象施設の拡大、技術の向上など、更なる充実を図ること。



2  都市の再生に向けた基盤整備の推進について


都市部では、慢性的な交通渋滞、緑やオープンスペースの不足、ヒートアイランド現象、景観の悪化、駐車場の不足など、多くの課題が残されている。


このため、渋滞交差点の解消や、親水空間の整備等による河川の再生に取り組むほか、都市緑化や保水性舗装・遮熱性舗装等のヒートアイランド対策を進めるとともに、無電柱化や景観・屋外広告物対策を推進すること。


また、市街地整備やまちづくり交付金の活用など、魅力とにぎわいのある安全・安心な都市の再生に向け、市町とも連携し、総合的な取組をより一層推進すること。


特に、「県民緑税」を財源として展開する県民まちなみ緑化事業については、地域からの取組を進めるとともに、安全・安心及び環境改善等の観点から推進すること。


さらに、平成18年6月から改正道路交通法施行による違法駐車取締りが強化されているが、買い物客等の駐車場不足による影響のほか、運搬業者等の荷物の集配で駐車可能な場所を道路上に付設する取組や、市街地での二輪車を駐車する場所を確保する必要性が高まってきていることから、駐車・駐輪の施設確保に努めること。



3  ユニバーサル社会の実現に向けたバリアフリーのまちづくりの推進について


年齢や障害の有無等に関わらず、すべての人にとって暮らしやすい「ユニバーサル社会」の実現のため、多くの人が利用する施設や公共交通機関のバリアフリー化について、関係市町、関係機関とも連携して、これまでの成果を踏まえ、より一層の充実を図ること。



4  自給率向上に向けた農業施策の推進について


わが国の平成19年度の食料自給率は40%(カロリーベース)と、前年度より1ポイント上昇し、40%台に回復したものの、先進国のなかで、最低水準であることには変わりなく、危機的状況が続いている。


将来にわたって安定した食生活を送っていくためには、県単独事業の充実を図るなど、兵庫県独自の農業施策の推進を図り、生産・消費の両面にわたる自給率向上に向けた取組が重要である。


(1)「米政策改革大綱」の推進について



「米政策改革大綱」に即して、平成19年産米から、農業者・農業団体が主体的に需給調整を行うシステムへ移行した。さらに、今後、新たな米流通システムへの見直しなどが実施される。


そこで、市町とも連携を図り、農業者、農業団体の主体的な取組が展開できる仕組みを確立するとともに、本県産米の消費拡大と米粉食品などの普及啓発に積極的に取り組むこと。



(2) 集落営農組織の育成強化について


農山村地域では、高齢化や過疎化が進行し、それに伴う担い手不足や農地の耕作放棄が進んでいる。


安定した食料生産を維持していくためには、地域全体で農地を保全・活用していく取組を進めるほか、特に、集落営農組織の育成を強化するとともに、JA、市町、県が一体となって営農指導体制を強化し、競争力のある農業を確立すること。


また、これまで維持されてきた農村社会が今後も維持できるよう配慮するとともに、農山漁村の活性化につながる年間を通じたグリーン・ツーリズムの普及に努めること。



(3) つくり育てる漁業の推進について


水産資源の減少が懸念されることから、漁獲情報の的確な把握や漁場整備を行うとともに、重要魚種の種苗生産や地域特性に合った新たな栽培魚種の量産技術の開発等、栽培漁業の推進を図り、消費者へ安定した水産物の供給を行うこと。


とりわけ、全国屈指の養殖ノリの生産量を誇る播磨灘で起きているノリの成長に必要な栄養塩類が減少する異変に対し、総合的な対策を講じること。



(4) 漁業を取り巻く厳しい環境への支援の実施について


操業用の燃料価格の著しい高騰により、全国的に出漁の断念、一斉休漁や廃業者が発生している。こうした極めて深刻な現状を踏まえ、価格高騰による漁業者への影響を最小限にとどめるとともに、消費者に安定した水産物の供給を図るため、国や関係機関とも連携し、漁業経営の存続につながる抜本的な対策を講じること。


また、今年3月に明石海峡において発生した船舶衝突事故について、国や関係機関とも連携し、沈没船の引き上げ、漁業者の被害回復、風評被害の防止等について、万全の措置を講じること。


(5) 食育の推進について


子どもの頃から望ましい食習慣など「食」について的確な教育を進めることは、単に栄養の充足のみならず、子どもの心身の発育、発達に大きく寄与し、将来の生活習慣病の予防など、広範囲にわたる影響が期待されるものである。


このため、「食の安全安心と食育に関する条例」及び「食育推進計画」に基づき、実効性のある施策展開を図ること。


また、こうした取組の中で、地域固有の食材あるいは食文化について知るとともに、食材を提供する農業の役割などについて体験や理解を深めることが、人間性の形成にも大きく貢献するものと考えられる。


そこで、おいしいごはんを食べよう県民運動・国民運動や教育委員会とも連携しつつ、知育、徳育、体育に加えて、食育を教育の重要な柱に位置づけ、食育の副読本を作成するなどにより推進すること。



(6) 「農」の振興に向けた試験研究機関等の充実について


ひょうごの「農」を生かす社会の実現を支える技術開発、普及をさらに促進するとともに、新品種開発など地域に密着した適地・適作を推進するため、「県立農林水産技術総合センター」、県内外の大学や広域的研究機関の連携を進め、営農指導力の強化充実に努めること。


また、昨年4月に開設した「森林動物研究センター」の調査研究成果を踏まえ、野生動物による農林業被害への対策を推進すること。とりわけ、生息頭数が適正数を大きく上回っているシカについては、個体数管理の取組を重点的に実施すること。



5  森林の保全・県産木材の利用促進について


「新ひょうごの森づくり」を推進し、森林の安全で快適な環境の確保に努めるとともに、「県民緑税」を活用し、計画的に「災害に強い森づくり」を進め、間伐木を利用した土留工の設置や針広混交林化等を図ること。


また、針葉樹林については、伐採・植栽・保育の林業生産サイクルの円滑な循環を図るため、学校等の公共施設をはじめとした様々な建物等への県産木材の利用促進を図るとともに、競争力の高い最終商品を供給できる「県産木材供給センター」の実現に向け、積極的な取組を進めること。


6  都市における農業の振興について


阪神間をはじめ、市街化区域における農地は減少を続け、次世代に都市及び都市近郊の農業・農地を継承していくことが極めて困難な状況となっているが、都市農地は一旦失われれば、その回復は極めて困難である。


都市及び都市近郊の農地は、人口集中地域への安全な野菜等の供給拠点であると同時に、ヒートアイランドなど地球温暖化対策や災害時の緊急避難場所の面からも、都市部における重要な機能をあわせ持っている。


このことを十分に踏まえ、都市地域における農業振興、農地保全について、「ひょうご農林水産ビジョン」に明確に位置づけるとともに、都市部固有の課題に的確に対応する施策展開及び制度改善に向けた取組を積極的に進めること。


?  21世紀社会にふさわしい医療・子育て・福祉対策の推進



少子高齢化が急激に進行する中で、子どもたちを安心して安全に産み育てるための環境づくりは急務となっている。また、持続可能な社会保障制度の確立は、県民の関心も高く、最も重要な課題のひとつである。高齢者や障害者をはじめとした県民の生活を支える医療・福祉の充実はもとより、未来を担う子ども達を安心して生み育てられる環境整備は不可欠である。


そういう意味でも、医療・子育て・福祉に積極的に取り組む市町に対して、県が的確に支援していくことが必要である。



1  少子対策の総合的な推進について



(1) 子どもを安心して生み育てられる環境づくりについて


「ひょうご子ども未来プラン」に基づき、少子対策本部において、事業の選 択と集中、特に、安全・安心施策への重点化や地域特性に応じた施策展開な ど全庁的な抜本的対策を講じ、子育てと仕事の両立支援など、子どもを安心 して生み育てられる環境づくりにより一層取り組むこと。

また、第二次ベビーブーム世代(1972年から74年生まれの世代)が結婚・出産適齢期を迎えているここ5年程度が、少子化対策にとって特に重要な期間である。合計特殊出生率は2年連続で前年を上回り、1.34(平成19年)となったところであるが、この傾向を一時的なものに終わらせないよう、新婚・子育て世帯向けの民間住宅家賃補助制度の創設や県営住宅優先枠の拡大、多世代が同居できる住環境づくり、職場結婚を奨励する雇用主の取組支援、妊娠・出産を可能にする職域での環境づくりなど、短期間で実効性が上がる施策に取り組むこと。


さらには、結婚・子育て・家族の大切さを確認するための意識改革のほか、家族のきずなや地域のつながりを取り戻す施策を展開するなど、中長期的な 観点からも取り組むこと。特に、子育て中の親が子育てを通じて子どもと共 に成長するよう親学を積極的に推進すること。


(2) 子どもの健全な育成策の強化について


近年、核家族化や女性の社会進出に伴って、家庭や地域での子育てを支える力が一段と低下している。


そこで、子育てに対する親の自覚を高めるとともに、親に対する育児指導の徹底、保健所や保育所等での相談・指導の充実、相談窓口のネットワーク化などについて積極的に取り組むこと。


また、子育て支援NPOと保育所との連携強化、地域の保育力の向上に努めるとともに、ひょうご放課後プラン事業による子どもの安全で健やかな居場所づくりの推進に努めること。


加えて、働く親の負担の軽減を図るため、「認定こども園」の円滑かつ適正な実施や保育時間の延長等保育サービスを充実させるとともに、安心して子どもを預けられる条件整備に取り組むこと。


一方、近年急増している児童虐待については、市町が一義的な窓口になったとはいうものの、それを支援する県の取組が不可欠であることから、こども家庭センター等の機能強化を図るとともに、市町、警察、学校、医療機関、保健所、児童福祉施設など関係機関との連携強化を図ること。



2  高齢者の生きがいづくり施策の充実について


高齢化が進展する中で、高齢者が健康で生きがいを持ち、元気で活躍できる条件を整備することが強く望まれている。


このため、高齢者が学ぶ高齢者大学等の場を広げるとともに、高齢者が培ってきた経験や知識を社会に還元し、積極的に社会参加ができるよう、高齢者の人材バンクの創設やNPOへの参加の支援、シルバー人材センターのネットワーク化等の施策の充実を図ること。


3  改正介護保険制度の円滑な運営について


明るく活力ある超高齢社会の構築のためには、改正介護保険制度の円滑な実施運営が不可欠である。


そこで、予防重視型システムや新たなサービス体系の確立などをはじめとした改正介護保険制度の円滑かつ適正な運営を推進するとともに、市町等を支援すること。


また、兵庫県老人保健福祉計画を着実に推進するとともに、国において進められている医療制度改革を踏まえ、着実な介護基盤の整備を進めること。


さらに、市町、警察と十分に連携をとり、高齢者虐待の防止と善後策について十分な対応を講じること。



4  障害者自立支援法の円滑な推進について


障害者自立支援法の施行を踏まえ、新基準による障害程度区分認定事務等を実施する市町の体制づくりを支援し、事業者の指定や適正指導、障害福祉計画の着実な実施などを通じてサービス基盤の整備を進めること。


また、新制度の周知徹底を進めるとともに、利用者の急激な負担増に対する軽減策等を実施すること。


さらに、意欲のある障害者が能力・適性に応じて働くことができるよう、雇用施策との連携により、障害者雇用の促進を図ること。


このほか、発達障害児支援体制の整備を図ること。



5  地域リハビリテーション体制の確立について


障害者や高齢者が、住み慣れた地域で自立した生活を送るためには、適切なリハビリテーションを継続的に受ける体制を構築することが重要であるため、地域リハビリテーション体制を確立すること。


6  県立病院の構造改革について


県立病院については、かかりつけ医、医師会等との連携の下、専門性を効率よく発揮できる中核病院としての役割を分担していく必要がある。


高度先進医療の提供等専門性の充実や、地域の中核病院として果たしてきた役割を踏まえ、幅広いオープンな議論のもと、診療機能の高度化・効率化や経営改革の推進をはじめ、県民がより良質な医療を安心して受けることができるよう、「病院構造改革推進方策(改訂版)」、「県立病院改革プラン」を策定し、改革を推進すること。


また、県立病院の経営健全化を図るため、経営状況を的確に把握し、人件費を中心として評価、検討を行う必要がある。その上で、運営形態について、独立行政法人化、民営化、経営統合など様々な方面からの検討を行い、方向性を示すこと。


さらに、県民の安全・安心の確保に向けて医療の充実を図るため、適切な繰入金のもと、研究機材の更新も含め研究費の予算化を図り、適正な人材の確保に努めること。


なお、県民の信頼に応える良質な医療を継続的に実施していくため、老朽化した病院の建替改修や、高額医療機器の整備など、施設・設備の計画的な整備を進めること。



2008/9/05  行財政構造改革調査特別委員会 意見開陳


2008年9月5日、新行財政構造改革推進方策第二次案について自民党県議団を代表して五島委員より
意見を開陳しました。



意見開陳の様子は「活動状況」のページでご確認いただけます。
→活動状況のページを見る




下記に意見の内容を全文掲載いたします。ぜひご確認くださいませ。



行財政構造改革調査特別委員会 意見開陳




平成20年9月5日(金)
発言者:五島たけし理事



厳しい財政状況の中、行革については、本年2月に策定された第一次新行革プランにおいて財政フレームをはじめ、本庁組織、定員・給与、事務事業、投資事業等が示され、それに基づき改革を進めていますが、これに引き続き、このたび、県民局をはじめとする地方機関の再編、試験研究機関、公営企業、公社等の残された課題について、新行財政構造改革推進方策(第二次案)が示され、改革の全体像が明らかにされました。

このため、わが自民党議員団では、二元代表制の趣旨を踏まえ、第二次案の基となった企画部会案が提示されたと同時に「県民局・地方機関等」「基本計画・行革条例」「公社・外郭団体」「県立施設等」の4分野でプロジェクトチームを立ち上げ、精力的に検討を重ね、様々な意見を集約したうえで、先般の特別委員会においても質疑を行ったところであります。


今回の行革は、阪神・淡路大震災以降3度目の改革であり、何としても成功させなければなりません。そのためには、策定で安心することなく、その実現に邁進することが大切です。その意味で、今後は、改革のフォローアップが非常に重要な意味を持つことになると思います。


これらを踏まえ、以下、わが党議員団の第二次案に対する意見を簡潔に述べてまいります。



1  県民局体制について




現地解決型の地方機関の組織のなかでも、その中核となる県民局について、第一次プランでは、5県民局1県民センター体制を打ち出されましたが、市町長、関係団体などから、現地解決型の総合事務所として定着しつつあるなど、存続を求める意見が相次いだことなどを考慮し、二次案では、引き続き県下10地域に県民局を存置することとされました。


県民局自体のスリム化とともに、このような地元市町や地域団体からの強い要請を踏まえると、現時点では10県民局体制を存続することは、やむをえないものと考えますが、新行革プラン策定後、10年間通じて、この10県民局体制を維持していくことは、適切とは言い難く、さらに、第一次プラン策定後、わずか半年ほどで、5県民局1県民センター体制から、10県民局体制存置へと、大きく方針が変わったことは、県民に、行革に対する後退感を強く印象づけ、県政に対する不信感を抱かせたのではないかと大いに危惧するところであり、十分な説明責任を果たすことが必要であることは言うまでありません。


また、平成13年度の10県民局体制から今日まで、西宮市、尼崎市など中核市が誕生する流れの中で、県は広域的、専門的な政策の展開と、市町の補完的役割に重点を置き、市町は、地域に密着した住民サービスの提供が基本であると考える時、県と同様若しくは遜色無い権限を持つ市には、その自立性を尊重し、関与の度合いを弱め、その他の市町を対象とした重点的な施策展開、地域振興を図るべきであると考えます。


さらに、今回の行革を着実に実行するため、現在の県民局体制が、地域における多様な県民ニーズや地域課題に的確に対応しているか、現地解決型総合事務所としての機能を十分に果たしてきたかどうか、不断の検証を行うとともに、政令指定都市や中核市をはじめとする市町と県民局の関係を改めて検証し、本来県の果たす役割、県民局体制のあり方について引き続き検討し、3年後、すなわち平成22年度末を目処に必要な見直しを行うべきであります。




2  県民局の内部組織について




現在の5部体制から抜本的に簡素・合理化し、事務所機能の強化を目指すことは、職員数減員の観点から、更に機動的、弾力的な組織運営を行う観点からも適切と考えます。


しかし、兵庫県は日本の縮図と言われるように、人口が集中する都市地域から人口減少や高齢化に悩む地方部に至るまで、多様な地域間格差、課題を抱えており、それぞれの地域特性に適合した政策を展開するため、10県民局一律の室、事務所体制では十分とは言えません。


特に、県民室をはじめとする内部組織については、それぞれの地域特性に応じた組織体制とするよう、柔軟に対応すべきであります。




3  教育事務所の見直しについて




教育事務所については、神戸教育事務所を廃止し、10事務所から6事務所に統合再編することとしており、教育事務所再編の基本方針については、評価しますが、現行業務を更に精査し、市町教育委員会との役割分担を明確にする必要があります。


特に、県教育委員会と市町教育委員会との連絡調整役は果たしているものの、市町立学校に対する直接の指導・支援は積極的には行われていない面もあることから、県民局の所管毎に設置する必要性が低く、宝塚、加東、光都の3教育振興室については、設置する必要性が乏しいと考えます。


また、将来的には教育事務所自体のあり方も検討すべきです。



4  地域普及所の見直しについて




地域普及所について、JA営農指導センター等に設置することで、コスト縮減や、県普及員との更なる連携による営農指導の相乗効果が期待できることは評価します。

しかしながら、三木市や宍粟市のように、管内に複数のJAが存在する地域があることなどから、地域の実情に応じた配置を検討すべきと考えます。



5  地域事務所の見直しについて




地方機関再編の基本として、一圏域一事務所とすることは適切と考えますが、その中でも、県土保全に関する土木事務所については、地域特性を十分に考慮する必要があると考えます。


比較的事業量等の少ない事務所は、やむを得ない面もありますが、北播磨、中播磨、西播磨といった管轄区域が広く、例えば、再編によって現場までの所要時間が1時間を超える区域が増加するような事務所や、今後一定の事業量が見込まれる事務所は、その地域特性を十分に配慮すべきであります。


また、道路の陥没、落石、倒木、河川護岸の崩壊などの突発的な事故や積雪時の除雪作業等に迅速かつ的確に対応するなど県民の安全・安心の確保を最優先に考えるべきであります。


このような観点から、土木事務所については、全てを一律に集約するのではなく、地域の状況を踏まえ、再編を見直し存続すべきと考えます。




6  再編後の庁舎財産の有効活用について




組織縮小、廃止後の庁舎の有効活用方策について、地域のまちづくり活動や創作活動の拠点としての開放や、民間への賃貸や売却等も含め早期に検討すべきと考えます。



7  試験研究機関について



(1)地方独立行政法人化の検討について

各試験研究機関の使命・役割、二次案による改革の状況等を踏まえつつ、地方独立行政法人制度の利点・課題を見極め、移行の可否や制度の利点を活かす運営形態のあり方について引き続き検討することを求めます。



(2)関西広域連合(仮称)について

また、試験研究機関に関しては、県内・近畿府県の枠組みを超えた協力体制の強化や、情報交換、施設・機器の相互利用など、広域的な連携を進めるとされています。その一方で、関西広域連合が担う連携事業として、公設試験研究機関間のネットワーク形成による情報提供や設備更新の連携、人材交流のほか、研究機関の共同運営についても広域連合設立後の事業実績等も踏まえ、調査・検討されることから、本県における行革での取組みとともに、関西広域連合との協力体制についても、長期的な視点に立って検討を進めていくことを求めます。




(3)県立工業技術センター等について



《1》県立健康環境科学研究センターの再編について

県立健康環境科学研究センターは、保健衛生部門の衛生研究所と環境部門の公害研究所の2機関を統合し、人と環境に関わる試験研究等を一体的に扱う機関として設置されました。しかし、ひょうご環境創造協会が、環境行政の実施機関として、類似の試験分析業務を行っており、検査機器・設備や機能面も同等であることから、第二次案では、県と公社等の類似業務を解消することを目的に、この統合を実質的に解消する方向が示されています。


しかし、県民の健康に影響を及ぼすような危機的事例などに対しては、保健衛生部門と環境部門が連携し、一体的に取り組む必要があることは言うまでもありません。再編後も、県民の安全・安心に関わる諸課題への対応に支障をきたすことのないよう関係機関の連携強化に努めるべきであります。



《2》県立工業技術センターの再編について
 県立工業技術センターの三支援センター(機械金属分野、繊維分野、皮革分野)のうち、三木市の機械金属分野の支援センターを廃止し、本所に機能を統合することにより、機械金属分野の高度で多様な企業ニーズに対して、これまで以上にワンストップで総合的なサービスの提供を行い、支援の充実を図ることとしていますが、その廃止にあたっては、地元の中小企業をはじめ地域の意見・要望等を十分に斟酌し、地元の理解が得られるように努め、播州金物等の機械金属分野に対する技術支援が低下しないよう、円滑な改革を進めることを求めます。




8  教育機関について




(1)県立大学について

統合前の県立大学は、専門分野別の三つの大学がそれぞれの特徴と専門性を活かした特色のある存在でしたが、平成16年度に総合大学として統合開学後は、その特色・特徴が見えません。


また、県立大学は、私学での取り組みが困難な分野を補完する側面があることから、その一つである理工系の教育に重点化して進めていくことも必要です。2009年度の全国総合大学ランキングのISI・引用度指数では、工学分野で第3位に位置するなど、工学部の教員の研究業績は高く評価されており、外部資金の活用も工学部・理学部で約7割を占めています。その一方で、偏差値の推移を見ますと、平成11年度で工学部が48、理学部が55であったのが、今年度は工学部が46、理学部が51と低下しており、統合前の旧姫路工業大学の機能の充実を図りながら、特色ある教育・研究分野を強くアピールしていくべきと考えます。


これらのことから、県立大学の果たすべき役割と機能を十分に考慮のうえ、県政と連携し、地域資源を活用した特色ある教育・研究を推進するとともに、産学連携のさらなる強化、外部資金の活用による研究の推進など時代や社会ニーズに的確に対応するよう機能の充実を図ることを求めます。


また、大学本部機能については、神戸学園都市キャンパス等の適地に移転する方針が示されていますが、工学部、理学部、環境人間学部などがある播磨地域も将来の候補地として視野におき、幅広く適地を検討する必要があります。


さらに、神戸学園都市、明石、姫路書写、播磨科学公園都市、姫路新在家の各キャンパスに配置されている総務・学務などの事務部門に関しては、地理的物理的に必要不可欠である面も否めないが、不効率さを感じることから、本部機能の移転とあわせて、可能なかぎり事務部門の再編統合を行うべきです。




(2)県立高等学校について

今後の生徒数の動向などを考慮しながら、小規模校において近隣校との統合を検討していく場合には、連携型中高一貫教育校などの特色ある学校への改編なども含め、地域との連携によって活性化される方策を研究しながら、適切な手順に基づき、地域住民に対して十分に説明することが必要であります。


他方、小規模校の存続について検討していく場合には、地域の特殊性や実情だけではなくて、生徒が活力ある学びの場として活動することができるのかなど、真に生徒のために必要なのかを最優先に検討すべきであります。




9  企業庁について




(1)水道用水・工業用水供給事業について


水道用水・工業用水の供給事業においては、健全経営の維持を基本方向として、経営収支見込みが実効性のあるものとなるよう給水量の維持・確保や企業債の低利債の借り換え、管理費用等の抑制などの経営努力を強く求めるほか、給水量の減少による収支見込みへの影響や料金単価の適正設定の検討など引き続きさらなる精査に努めるべきであります。




(2)地域整備事業について

地域整備事業では、分譲の進捗率を約90%として、分譲促進等に取り組むことを改革の基本方向としていますが、これは、企業庁経営ビジョン「総合経営計画」における平成25年度末までの計画がその数値の基礎となっているものであり、計画の着実な実現を図られなければ、このような高い目標は到底達成することができません。


また、分譲地の整備には、用地買収や用地造成など、莫大な費用がつぎ込まれており、投資に見合う資金が回収されなければなりません。地価の下落は収まりつつあるとは言え、バブル後に購入した土地は含み損となっており、投資資金の回収が容易に進まない状況が続くのではないかと危惧されます。


高い目標値を設定し、経営戦略として努力する姿勢は評価できるものであり、目標に向かって最大限の努力を行うことはもとより、適宜進捗状況の点検を行い、必要に応じて、分譲戦略の見直しを行うなど、目標達成に向けた不断の取組を求めます。

さらに、施設の建設や改良などの資金調達に企業債など借入資本金を活用していますが、その利払いや償還が経営面で重荷となっています。分譲地の早期処分と並行して、高い有利子の負債圧縮に取り組むべきであります。




10 病院局について


(1)地域医療連携について

地域によっては、国立、県立、市町立、さらには民間病院が互いの連携もなく、混在化しているところがあります。その一方で、県立病院しか医療機関がない地域は、本来、市町立病院や民間の診療所が担うべき医療を県立病院が担っています。


このため、混在化する地域では、県立病院とその他の病院との役割分担を徹底し、重複・競合による患者数の減少を防ぐとともに、医療連携により医師の確保や経営の効率化を図り、県立病院の経営改善を進めるべきです。


また、本来、市町立病院が担うべき医療機能を果たしている県立病院においては、地元に応分の費用負担をさせることも検討すべきと考えます。



(2)病院の経営改革の推進について

県立病院の経営改善への取組みは、院長や管理局長のみならず職員一丸となって取り組むとともに、自身の病院を徹底分析し、優良な類似病院と比べ、何が良くて何が悪いのかという経営改善箇所を数値で明確化し、そのデータに基づいて課題の抽出や改善の方向性を明らかにするなど、民間で実施している「ベンチマーキング」と呼ばれている手法により、「成功の要因」をどんどん取り入れ、経営改善していく活動を実践していくべきであります。


とりわけ、患者確保や診療単価の向上などよる収益確保、人件費抑制や診療材料費・薬品費の抑制などによる費用抑制などの経営改革の推進により病院事業全体の当期純損益を平成28年度に黒字化するとともに、全病院での黒字化の早期実現を目指されていることに対して、大いに期待するとともに、その実現を強く求めます。



(3)県立尼崎病院及び県立塚口病院について
 県立尼崎病院と県立塚口病院の運営の一体化を図り、高度で先端・専門の医療資源を効果的かつ効率的に提供して地域の医療を支えていくために、塚口病院が有する機能を充実させて、尼崎病院へ統合整備しようとしていますが、この統合によってどのように機能が充実されるのかなど、具体の将来像が不透明であります。
 地元の意見等を十分に斟酌するとともに、これまでの両病院の外来・入院の患者利用状況などを勘案し、整備後の病院規模が適切なのか、現状と同水準以上のの医療サービスの提供が可能であるのかなど、統合に関する諸課題に加え、地域の医療のあり方についても、外部委員会において、慎重に協議・議論を尽くすべきであります。




11 公社・外郭団体について



(1)公社・外郭団体の見直しの考え方について

今回の推進方策案が示された8月11日の行財政構造改革調査特別委員会において、知事は挨拶の中で、公社等の外郭団体は「県行政の代替的・補完的機能を担い、県行政の実施機関として事業推進を図ってきた」と述べておられます。


しかしながら、平成20年度決算から地方財政健全化法に基づく4つの指標が導入され、公社の債務や県費の算入の状況がこの指標に大きく影響してくることとなり、公社・外郭団体の存廃を含めて、抜本的な見直しを進めていく必要があります。


過去の行革において、平成11年度から20年度にかけては、51団体から43団体へと15.7%の団体を削減しているのに対し、今回は、44団体から38団体と、13.6%の削減に留まっております。


特に、今回は、聖域無き行革を断行すべきであることを前提とすると、さらなる見直しを行い、現在の社会情勢で真に必要な団体のみを存続させることを基本として、不断の改革に取り組むべきです。



(2)見直しの基準や視点について

行革の基本的な視点は、コンパクトな行政、分権による二重行政の排除、民間活力の導入による効率化、県民の視点(透明性・公開制)、確かな検証といったものであると考えます。公社・外郭団体の見直しにあたっては、このような視点から、県政における公社・外郭団体のあるべき姿を検討することが肝要であると思います。


また、見直しの具体的な基準としては、?存在意義、?類似性、?採算性の3点があげられると考えます。県民の視点から見て存在意義が低く、県民生活に甚大な影響を及ぼさないものは原則廃止すべきです。また、類似の団体は、効率的な運営を図るために当然統合すべきです。そして、採算性を重視し、経営改善を図るため、役員などに民間経営者を登用することも検討すべきです。



(3)指導監督・監視機能の強化と検証について

県民の目からは、県職員OBの役員就任が「天下り」と映ることも多いと思います。県民の理解と協力を得ながら行革を進めていくためには、こうした県職員OBの役員就任の状況なども含めて、公社、外郭団体の公開性・透明性を高めるべきです。また、公社等への指導監督の強化について、第三者委員会を設置するとされていますが、真に実効性のあるものとするよう権能や人選を検討すべきです。



(4)役員定数や報酬等について

例え、無報酬でも、役員の数が多いと、意思決定段階の数が増し、職員の事務量が多くなります。また、役員自身も、本来の業務を遂行すべき時間を割いて理事会等に出席しなければならず、非効率となります。団体の事業規模や事務の効率化等を勘案し、役員の一層の定数減に努めるべきです。


また、役員が数年で交代していくと、経営改善が計画的に進まない場合も有り得ます。適正な人事とともに、責任の所在の明確化について検討していくべきです。


役員報酬については、報酬の引き下げや標準報酬額の公表など、一定の取組みを行っていますが、さらなる取組みとして、例えば負債の解消といった業績を、報酬に連動させる仕組みについても検討すべきです。



(5)県からの派遣職員について

今回の第二次案では、5割の削減に留まっていますが、公社、外郭団体の内部においてプロパー職員の幹部職員への養成に努めるとともに、県職員OBの活用を進める中で、県からの派遣職員の削減に努めるべきです。



(6)密接公社以外の関連団体について

今回の第二次案では、「県行政と密接な関連のある公社等」から5団体が除外されています。指導監督の必要性等を考えると、やむを得ないと思いますが、「密接な関連のある公社等」以外に、県が出資・出捐している団体は119団体、人的支援を行っている団体は29団体であるとお聞きします。


このような団体についても、その必要性を再検討し、順次、財政、人的支援の廃止を含めて見直しを図るべきです。



(7)個別団体について


《1》(財)ひょうご震災記念21世紀研究機構、(財)阪神・淡路大震災復興基 金、(財)兵庫県住宅再建共済基金について
 いずれの団体においても震災関連の業務を行っており、財団法人としての個々の存否や統合について検討すべきです。
 また、新たに設置される関西広域連合(仮称)において、「防災」事務について府県の枠を越えて取り組むことが検討されていることから、これらの財団法人の運営についても、将来的には広域での活動も視野に入れた検討を行うべきです。



《2》(財)兵庫県高齢者生きがい創造協会、(財)兵庫県青少年本部について(財)兵庫県高齢者生きがい創造協会が、あらゆる世代のニーズに応える組織として、「(財)兵庫県生きがい創造協会(仮称)」に改組されることから、その団体で育成された地域づくり活動の人材等を活用して、(財)兵庫県青少年本部の事業のさらなるスリム化を図り、将来的には両団体を統合すべきです。


《3》(財)兵庫県国際交流協会について

(財)兵庫県国際交流協会については、今回の第二次案ではプロパー職員や派遣職員の削減が盛り込まれていますが、さらに踏み込んで、本庁で直接執行する等、団体の存否まで検討すべきです。


また、ひょうご国際プラザについては、事業の類似性から鑑みて、神戸市と共同運営する方策を検討すべきです。


さらに、海外事務所については、その存在意義を含め、あり方を検証すべきです。


《4》兵庫県道路公社、土地開発公社、住宅供給公社について

効率的な運営を図るためには、本来、団体の統合が最も妥当な手段ですが、法制的に困難であれば、一刻も早く負債を解消できるよう、抜本的な経営改善を図るべきです。


例えば、収益性を重視しようとすると、トップに民間の経営者を充てることも検討するべきです。


また、県営住宅の管理運営について、さらなる民間活用を検討すべきです。


《5》(社)兵庫みどり公社について

第二次案では、平成90年度までの長期収支見込みが示されていますが、木材価格やコスト変動などの不確定要素が多く、このような見込みの確実性は乏しいと考えられます。最悪のケースを想定しつつ、今後の負債解消策を検討すべきです。


《6》(財)兵庫県学校厚生会について

県からの財政的、人的支援をできるだけ削減し、県民に分かりやすい福利厚生内容、事業規模であるべきです。


また、団体自らが設置する改革委員会とともに、公社、外郭団体のチェックのために設ける第三者委員会の意見、提言を受けて、一層の改善に努めるべきです。



(8)公的施設について
 運営体制や事業内容の見直しにより運営の合理化に努めるとともに、より効率的で質の高い管理運営を図るため、可能な施設から公募による指定管理者制度を導入すべきです。
 また、公的施設にネーミングライツを導入し、その収益により維持管理経費を捻出する方策も検討すべきです。
 公的施設の市町への移譲や移管にあたっては、市町と十分な協議を行い、円滑に進めるべきです。



12  行財政構造改革の取組みの推進


(1)第三者委員会等について



《1》監査委員、議会、第三者委員会の役割分担について

去る8月6日、知事に対して、我が会派として申し入れを行いました。


その結果、第二次案においては、行財政構造改革の取組みの推進に関して、方策変更時の議会の議決、実施状況報告に対する議会の意見表明など、議会によるチェック機能の発揮につながる内容が追加された点は評価したいと考えます。


その一方で、推進方策の進捗状況について、これを審査する第三者委員会や、フォローアップ体制などについて、課題も残っております。


過去の2度の行革を反省し、同じ過ちを繰り返さないためにも、形式に過ぎることなく、厳しいチェックを行うべきと考えます。行革の進捗状況については二重、三重のチェック体制を整えるなど、各般から厳しいチェックを行う必要がありますが、この点、チェックを担う主体として、監査委員及び議会に加え、第二次案では、推進方策の実施状況を審査する第三者委員会(行財政構造改革推進委員会(仮称))を設置することとされています。


監査委員、議会、第三者委員会の三者について、行革の進捗状況をチェックしていく上で、それぞれの機関がどのような役割を担うこととなるのか、明確に整理しておく必要があります。


《2》委員について

第二次案では、第三者委員会の委員には、公認会計士や財政学の専門家等が就任することとされています。同委員会は、いわばプロとしての目で行革の進捗状況をチェックするものであり、《1》既に発生している問題は如何に小さなものでも見逃さない、《2》いまだ発生していなくとも問題につながりそうな芽については事前に摘んでいくといった視点に立って、冷静な現状分析と、これに基づく率直な評価を行ってもらうことが肝要です。


第三者委員会は、当局の案の追認機関となることなく、真に実効性あるものとして機能させる必要があり、そのためには、必要かつ十分な見識や専門的知識を兼ね備えた人物が、適切に人選されるべきです。


その際、客観性をいかに担保するのか、公認会計士や財政学の専門家等が必ずしも行政の事業に精通しているとは限らないといった点などに留意すべきです。


《3》委員会の権能・位置づけについて

第三者委員会による審査を単なる形式的なものに終わらせるのではなく、実効性の高いものとするためには、委員を選任する段階のみならず、同委員会が具体のチェック機能を果たしていくにあたっても、当局や議会から独立した立場で、明確に定められた権限に基づき、専門的・客観的な観点からの分析・評価を通じた実質的な審査を行えるような仕組みとする必要があります。


このため、同委員会の審査結果の報告にあたっては、単なる事実認定に止まらず、各分野別の進捗状況に対する評価のほか、県の財政状況に対する総合的な判断について、忌憚なく自由に意見や提言を付することができるよう、同委員会の権能や位置付けを明確にすべきです。


また、第三者委員会の役割、委員構成、権能・位置付けや審査の透明性確保など、具体的な枠組み等については、明確な法令上の根拠を整えておくべきです。


《4》委員会による審査の透明性確保について

第三者委員会による審査・評価結果の公正さを確保するためには、公正かつ適切な手続による委員選任、委員会の位置付けの明確化に加え、その審査手続における透明性を確保することが重要です。


審査手続は、限られた委員のみにより、非公開いわば密室の中で行われるべきものではなく、同委員会に提出される審議資料や同委員会の審議経過を広く公開し、県民及び議会によるチェックを可能にしておくべきです。


《5》達成度の評価について

行革推進方策の進捗状況を客観的に検証・評価するにあたっては、個々の事業の必要性や公平性など定量的な評価が困難なものもあります。


また、個々の事業の進捗にこだわりすぎて、そもそもの県財政の健全性を見失うことがあってはなりません。木を見て森を見ずということにならないよう、達成度の評価にあたっては、そのものさしが非常に重要になってくるものと思います。


そこで、具体的な数値など、万人に分かりやすい目標を設定するとともに、その達成度についても、目標からの乖離度を常にチェックし、数値的なデータとして示すなどの手法を検討していくべきです。



(2)行革推進方策の見直しについて


推進方策案によれば、知事は、社会経済情勢の変化、地方分権、税制改革など国の政策動向、県の財政状況等を踏まえ、必要に応じて推進方策を見直すとともに、3年を目途に行財政全般にわたる総点検を行い、その結果を踏まえて、推進方策の見直しを行わなければならないとされています。


しかし、最近の国の経済指標を見ると、社会経済情勢の変化、特に税収減などで財政フレームに狂いが生じる場合など、そもそも推進方策の前提自体が崩れることにより、その見直しを前倒しせねばならない事態が生じることが想定されます。


また、行革を推進する過程で、看過しがたい行政サービスの質の低下により、県民生活への多大なる影響が生じることもあり得ます。


このように、推進方策を見直す事態が生じた場合、議会の関与が十分に図られるよう、説明や情報開示が行われる必要があります。



(3)行革推進条例との整合性について

第二次案によれば、当局は、改革の取組の着実な推進と適切なフォローアップを図るため、改革の基本理念や推進方策の策定等の手続きを定める条例として行革推進条例を新たに制定し、その中で、これらの枠組みを規定することとされています。


しかしながら、元々、長期にわたり県の施策のよりどころとなるような基本的な計画の策定や見直しを行う場合には、議会の議決を義務づけることとし、既に平成18年に議員提案による基本計画条例が制定され、同年4月1日に施行されています。


確かに、行革の取組については、財政フレームから実施計画部分に至るまで、その策定、変更あるいはフォローアップについても、厳格にチェックしていく必要があり、その特殊性から、特別条例を制定する必要はありますが、行革推進方策は本県の向こう10年間を根本から縛る基本計画中の基本計画であり、先行する基本計画条例との整合性が図られるよう、整理しておく必要があるものと考えます。


特に、基本構想部分については、基本計画条例の規定と行革推進条例の規定とが重複するものであり、条文上、その適用関係を明確に整理しておくべきです。



13 第三者委員会(行財政構造改革推進委員会(仮称))と公営企業や公社・外 郭団体における外部の有識者等による委員会の関係について



第二次案では、推進方策の推進状況を審査する第三者委員会(行財政構造改革推進委員会(仮称))を設置することとされています。その一方で、塚口病院と尼崎病院の統合整備、公社や外郭団体の指導監督等においても、外部の有識者等による委員会を設けていくとしています。先日の行財政構造改革調査特別委員会の質疑においても、外部の委員会により公社や外郭団体等のチェック機能や透明性を高める旨の答弁がありましたが、そもそもこの委員会と第三者委員会との関係が明らかにされておりません。私どもは質疑を通して第三者委員会が最上位に位置すると受け止めていますが、これら三つの委員会の位置づけ、各々がどのような役割を担うのかなど、その関係について明確に整理し、お互いが十分に機能を発揮できるようにすべきです。



14 自主財源の確保について


わが党議員団では、一次プランで、新たな財源確保の手法として、ネーミングライツ導入の一層の推進や、広告物収入の確保、県有財産の売却等による財源確保、法人県民税超過課税による財源の使途の見直し、法定外目的税及び法定外普通税等の課税自主権の活用、滞納県税対策及び県営住宅家賃の未収金対策の強化などを提案したところであり、これらについて適切な対応を求めるとともに、ふるさと納税制度についても、十分にPRを行い、効果的に活用していくことを提案します。




以上がこのたびの第二次案の個々の項目に対する意見であります。



2月に第一次新行革プランにおいて財政フレームが示されてから約6ヶ月が経過しております。この間、平成19年度一般会計の決算見込みが発表されましたが、実質収支は、31年連続で黒字を確保したものの、黒字額は過去最小となり、実質単年度収支は7年連続の赤字となっています。経常収支比率は前年度より悪化し、初めて100%を超え、財政の硬直化が一層深刻になっており、実質公債費比率も20.2%と初めて20%を超え、財政健全度の低さが顕著となるなど、非常に厳しい財政状況となっており、今年度の税収確保も厳しい状況から、財政フレームの出発点から軌道修正が必要なのではないかと危惧されます。



さらに、我が国の経済は、原油をはじめとする資源エネルギーや原材料の価格高騰、米国のサブプライムローン問題による米国経済の減速等の影響により、戦後最長であった景気拡大が途切れ、一転して後退局面入りが鮮明になっております。



先ほどの決算見込みにおいても、歳入面では法人関係税が企業業績の低迷などにより、当初予算の見込みを大幅に下回り、収支不足を補うために減収補てん債の発行などの追加財源措置を余儀なくされています。



今後の景気動向如何によっては、県税収入のさらなる落ち込みが懸念され、地方財政計画と地方交付税の動き次第では、第一次プランの歳入フレームに大きな影響を及ぼし、財政フレームの収支不足が拡大する恐れがあります。



後期5か年の計画では、経済成長率を0.5%から2.9%と見込みながら、歳入不足が生じた教訓があったにもかかわらず、今回の財政フレームでも2.1%から2.8%の経済成長率を見込んでおり、今後の推移が気になります。



税収変動に伴う収支不足額に対しては、従来の算定方法を変更し、一定程度緩和できるように工夫していることは評価するものであるが、その許容範囲内におさまるのかどうかが大いに懸念されるところであり、景気が後退局面に入ったことを踏まえ、あらためて財政フレームの検証を行い、適切な財政運営を行うべきであります。



また、このように経済情勢が大きく変化する兆しがあるなかで、財政健全化の判断基準の一つとして、公社・第三セクターなどを含めた実質的負債を算定基礎にした新たなストック指標である「将来負担比率」の設定が明らかにされております。



現時点では早期健全化基準である400%を下回り、361.7%となっており、健全性を確保していますが、この指標をはじめ、フロー指標である「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」を含めた4つの指標について、経済情勢の変化を踏まえた今後の推移が大いに懸念されるところであり、明確な目標値を定め、その推移を適時適切に公表するなど、透明性の確保と的確な管理に努めるべきであります。



行革に関しては、大阪府知事が、独特の政治手法を武器に府民を引き入れ、財政再建を柱に据えた府政改革に取り組んでおり、全国的にも注目されていますが、本県では、歳出削減総額や人件費全体の削減額など、大阪府を上回る改革を断行しており、このことは評価できるところであります。



しかし、行革を着実に進め、早期に財政健全化を図るためには、県民にも痛みを分かち合ってもらえるよう丁寧な説明と十分な理解を得ることが必要不可欠であります。



民間機関の調査では、大阪府知事の改革姿勢を支持する府民が63%を占め、府が財政破たんするのではないかという不安を「感じる」という人は80%にのぼっています。



一方、マスコミによる兵庫県政に関する意識調査では、第一次新行革プランについて、財政危機自体も含めて「知らない」と答えた人が5割を超えており、県民に対して、危機感はもとより、県政に関する情報自体も十分に伝わっていない実態が明らかになっています。



広報紙やホームページ、メールマガジン、テレビ・ラジオ番組などの各種広報媒体を活用し、知事自らが率先して丁寧な説明やPRを行うとともに、パブリックコメントについても形式的な処理に終わらせるのでなく、積極的に意見や提言を求め、県民の声が的確に改革に反映されるよう取り組むなど、県民の意識改革につながる取組を求めます。



また、この調査では、重点的に取り組んでほしい施策として、「子育て、医療・福祉の充実」が一番多く、3割を占めています。このような「医療」「福祉」「子育て」施策の充実を求める県民意識は、真摯に受け止め、十分な配慮を行うべきであることは言うまでもありません。



いずれにしましても、県民から批判を招くことのないよう、丁寧な説明により十分な理解を得ることを今一度強く求めたいておきたいと思います。



以上、意見を述べてまいりましたが、今回策定される推進方策により、職員も痛みを分かつことになっております。モチベーションが下がり、県民サービスが低下することがないよう、県民のために意欲を持って働く職員を育んでいただきたいと思います。また、この改革を着実に進めるだけで、全ての問題が解決するわけではありません。これで気を緩めることなく、常にコスト意識をもって、職務に精励いただくことをあえてつけ加えさせていただきます。



さらに、いま申し上げた以外でも、公社外郭団体など、引き続き検証していかなければならない課題も多く残されていると認識しております。現在の組織が担っている業務を固定的に考えるのではなく、あらたな視点で、より柔軟に運用していくべきです。今後も、必要に応じて、適宜、提言してまいりますので、今回の意見とともに、真摯に受け止め、適切に対処いただくことを求めたうえで、第二次案について、わが党議員団としては一定の評価をするものであります。



冒頭でも申し上げたとおり、過去の2度の行革を反省し、同じ過ちを繰り返さないためにも、改革への着実な取組とともに、今後の景気動向や歳入の見込み状況などにも細心の注意をはらいながら、厳しい視点でのフォローアップが必要不可欠です。



「システムさえ変えればうまくいく」のではなく、変えたあとも人事を尽くすことが重要です。改革の成否は、ひとえにそれを実践する人間を直視した「知恵」と「アフターケア」です。「知恵のある改革」となるために、我々も、一緒に力をあわせてがんばっていきたいと考えております。



以上で、自民党の意見開陳を終わります。